歯科衛生士のお茶会

いろいろ干からびている歯科衛生士が面白いことを発信していくかもね!

歯科医院のハンドピース未滅菌は本当に問題なのか?内視鏡カメラ未滅菌はスルーなのにおかしくない?

干物歯科衛生士えれなです。

今日も元気に干からびています!

 

新聞やネットニュースだけでなくテレビの「とくダネ!」などでも大きく取り上げられた歯科医院のハンドピース問題について考察していきます!

 

私にもまじめなところもあるのですよ。

干からびつつも歯科衛生士の端くれとしてこの問題にメス!・・・はドクターしか使えないからスケーラーを入れていくよ!ガリガリ!

まず今回の問題の全容を見てみましょう。

 

歯医者・歯科 無料 雛形

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 歯科医院の約半数が患者ごとにハンドピースを滅菌していない

今回問題になっている医療器具は「ハンドピース」(正式名称「エアタービン」)と呼ばれる歯を削るドリルを取り付ける柄の部分。先端付近が患者の口の中へ入るため唾液が付着し交換しないまま使うと感染症を起こすリスクが高い。

   調査結果では、「患者の都度交換している」が約半数の52%、「感染症患者と分かった場合に交換・滅菌」が17%、「状況に応じ交換・滅菌」が16%、「消毒薬で拭く」が14%だった。 もっとも、それでも改善されたという見方がある。同省が5年前調査した際は7割が交換せずに使い回ししていたという結果が出ていた。

(引用えっ!使い回ししていたの! 歯科医院の「エアタービン」で感染症の危険 : J-CASTテレビウォッチ

 え?!歯医者で歯を削るあのドリル、滅菌してなかったの??

ってなりますよね。

ところで「滅菌」とは何でしょう。

大体どこの歯医者さんでも使用後のハンドピースはすくなくとも「消毒」はしています。今回問題になったのは消毒されていても「滅菌」されていなかったということなのです。

 

滅菌って何?消毒との違いは?

 消毒とは病原性生物を殺菌し、感染症の発生を防止するものである

引用:歯科用語小辞典

 

滅菌とはすべての微生物を殺滅または除外し、無菌の状態にすることをいう

引用:歯科用語小辞典

 消毒=殺菌なのでじゅうぶんに思うかもしれませんが、滅菌はそのさらに上「無菌」です。

つまり

 

滅菌(無菌)>消毒(殺菌)

となります。

私の経験したすべての歯科医院ではハンドピースは使うたびに消毒(殺菌)が行われていました。

では無菌にするという「滅菌」とはどのような方法で行われるのでしょうか?

 

滅菌に使う器具と手順

歯科で行う滅菌には2種類あります。

1ガス滅菌

2高圧蒸気滅菌

 

まずガス滅菌ですが、これは私の経験上一か所でしか行われていませんでした。

時間もコストもかかるためです。

ガス滅菌を行っていたのは国の公的な施設で、コストをシビアに考えないでよかったので導入できましたが、個人院での使用は難しいでしょう。

 

そこで大本命の高圧蒸気滅菌です。

オートクレーブという機械を用いて滅菌します。

デンタルミラーなどの口の中に入る器具の滅菌はこのオートクレーブで行われています。ハンドピース(ドリル)の先につけるバーは、ハンドピース本体から取り外してこのオートクレーブで滅菌されています。

つまり、直接歯に触れている部分はきちんと滅菌されているということです。

 

「だったらついでにハンドピースもオートクレーブで滅菌すればいいじゃん!」

 

となれば話は早いのですが、なぜ多くの歯科医院でハンドピースをオートクレーブで滅菌しないのでしょうか?そこには一つの理由があります。

 

高圧蒸気滅菌機で滅菌するとハンドピースが劣化する

これが大きな原因です。

種類にもよりますが、1つ10万円程のハンドピースです。

患者さんごとに滅菌していたらハンドピースの寿命は大幅に減ります。

また、一人の患者さんに一度の治療で3本ほどハンドピースを使い分けることもあります。

例えば午前中20人の患者さんが来て、一人につき2本ハンドピースを使うとすると

20×2=40

40本のハンドピースをストックしておかなければなりません。

 

なぜならオートクレーブの滅菌が終わるのに1時間以上かかるからです。

だから患者さんごとに滅菌する以上かなりのストックが必要となります。

大量のハンドピースをストックし、しかも滅菌かけるごとに劣化していく・・・

これがなかなか患者さんごとの滅菌に踏み切れない理由です。

 

さてこの器具滅菌問題は歯科のハンドピースだけなのでしょうか?

 

実は内視鏡は滅菌されていない

内視鏡ってあれですよ。口や鼻の中から食道を通って入れていくあの内視鏡です。

ガイドラインとしては

内視鏡は滅菌しなくても高水準消毒でオッケー!」

となっています。

内視鏡が消毒でいいなら、歯科のハンドピースも滅菌じゃなくて消毒でよくない?

 

ではなぜ歯科だけ大問題になっているのでしょうか?

 

歯科医A氏「献金が足りないんじゃない?」

歯科医B氏「歯科機械業界の陰謀だ!」

歯科医C氏「歯出血する処置も多いし滅菌するに越したことはないからねぇ」

 

歯科はこれからどうしていくべきか

二つ考えられます。
 
1.コストに見合った滅菌加算を作る。
 
患者さんにも負担してもらってお金をかけてすべて滅菌するという方法。
 
2.内視鏡レベルの高水準消毒を行う
 
「ハンドピースは滅菌せず使いまわしされていますよ!」
といわれるとギャー!こわー!キモオチワルゥー!となりますが
「ハンドピースは内視鏡と同じレベルの高水準消毒を患者さんごとに行っています!」
となるとどうでしょう?
へー!安心ね!とはなりませんか?
やってる内容は同じですよ。
伝え方でこんなに与える印象が違うんです。
今回はマスコミの報じ方もあるよなあ、と感じます。
安倍さんの言うところの印象操作ですね。

 

ただ、各医院によって消毒の仕方にばらつきがあるのは事実。

正しい消毒のガイドラインを作り、医科と歯科が足並みをそろえることで患者さんに安心を与えることができます。 

 

滅菌ありきでなく、根本に帰って患者さん主体の医療を提供できるよう、

各界で議論、協力してこの問題を解決していきたいですね。